バイトには様々な働き方や職種、雇用条件の求人があります。募集要項の内容を把握していないと、自分に適した働き方ができなかったり、想定していた収入を得られなかったという原因になるでしょう。また、収入に応じて必要になる税金や保険料もあります。今回は、バイトの種類や特徴と手当や税金、保険料について紹介します。
バイトの種類とは
バイトの働き方には、次の3種類があります。
- 短期間のバイト
- 長期間のバイト
- 単発のバイト
数日から数ヶ月の「短期バイト」
働く期間が、数日から数ヶ月の定めがある「短期バイト」。年末年始やレジャーシーズンなど、繁忙期になりやすい時期に募集されることが多いという特徴があります。特に夏休み時期や冬休み時期などで求人が多くなるケースがあるため、学生によって人気があるのが「短期バイト」です。雇用期間の制限があるため、長期的に安定した収入が欲しいという方には不向きのバイトになります。
半年以上の「長期バイト」
長期バイトは、半年以上の雇用期間が定められているバイトになります。基本的には長期バイトで働く人が多いです。長期バイトは、安定して長く働くことができるため、しっかりとお金を稼ぎたい人におすすめです。また、長く働くことで時給が上がるメリットもあります。バイトの種類によってはそのまま正規雇用へ採用されるケースもあります。
1日単位の「単発バイト」
単発バイトはその名の通り、1日単位での雇用で働くことを指します。主にイベントスタッフや試験監督など、単発的に発生する仕事での求人が多いです。長期バイトの掛け持ちで効率よく稼ぐ方も中にはいます。しかし、雇用期間の特性上、スキルアップなどは期待できないため、就活時にはアピールしにくい働き方ではあります。
バイトで多い職種と特徴
バイトには様々な職種での求人があります。大きく分類すると次のような種類に選別されます。
- 接客系のバイト
- 作業系のバイト
接客がメインの「接客系のバイト」
接客系のバイトは、基本的に顧客対応が必要です。
募集される職種としては、小売店業や飲食店業、カスタマーサポート系があります。
- 接客系バイトの主な職種
職種 | 仕事内容 |
レジスタッフ | スーパーやコンビニなどで募集されることが多い職種です。 お客様が購入するもののレジ打ちや接客等がメインの業務となります。 近年では、セルフレジも採用されているため、お金を取り扱うことに抵抗がある方でも安心して働くことができます。 |
販売スタッフ | 携帯の販売スタッフなど、商品の販売を促進することがメインの業務です。 販売スタッフになると、購入の促進も行う必要がある点が、レジスタッフとの大きな違いになります。 商品を提案するスキルが身に付くため、今後就活をする際には経験としてアピールすることができます。 |
飲食店スタッフ | 飲食店スタッフは、ホール系と調理系に分けられます。 ホール系のスタッフの場合には、料理の品出しやメニューの注文の受付と、接客を必要とします。 幅広い世代のお客様と接するため、コミュニケーション能力を培うことができるでしょう。 |
テレフォンオペレーター | テレフォンオペレーターには、発信業務がメインの場合と受信がメインの2種類があります。 発信業務の場合には、商品の案内やアポ取りなどがメインとなります。 受電業務の場合には、お客様からの問い合わせや注文の受付がメインです。 どちらの業務であっても顔が見えないお客様とのやり取りとなります。 そのため、言葉づかいなどのスキルを磨くことができるでしょう。 |
作業がメインの「作業系バイト」
作業系のバイトは、工場などで作業を行う業務がメインとなるバイトで、ときには体力が必要となる場合があります。
募集される職種としては、倉庫系や引越し系があります。
- 作業系のバイトの主な種類
職種 | 仕事内容 |
仕分けスタッフ 梱包スタッフ | 倉庫の中で商品の仕分けや梱包をメインとする業務です。 商品は、衣類系や食品、本や化粧品など、募集される求人によって多種多様にあります。 自分の好きな商品であれば、楽しんで働くことができるでしょう。 またなかには、重い商品もあるため、時折体力を要する場面もあります。 |
引越しスタッフ | 引越しスタッフは、荷物の出し入れや梱包などがあります。 家電や家具を運び込むため、体力が必要になる職種でもあります。 男性が働くイメージのある職種ではありますが、梱包などの作業もあるため、女性でも活躍することができる職種です。 |
組立スタッフ 加工スタッフ | 工場で部品の組み立てを行ったり、パンやお菓子の加工作業を行うこともあります。 複雑な作業はないため、一度仕事を覚えると初心者でも安心して働くことができる職種でもあります。 |
バイトをする上で知っておきたい手当や税金・保険料
最後に、バイトをする上で知っておきたい手当と、税金や保険料について紹介します。
バイトで支給される手当の種類
バイトで支給されることが多い手当は、次の通りです。
- 残業手当
- 休日手当
- 深夜手当
労働時間を超えたら支給される「残業手当」
1日の労働時間(8時間)を超過した場合に支給される手当です。通常の賃金に25%が上乗せされた金額が支給されます。
休日に勤務した場合に支給される「休日手当」
労働日とは別に休日に出勤した場合に支給される手当です。通常の賃金に35%が上乗せされた金額が支給されます。
深夜帯の勤務の場合に支給される「深夜手当」
深夜帯(22時〜翌朝5時)に勤務する場合に支給される手当です。通常の賃金に25%が上乗せされた金額が支給されます。
手当は、通常の時給よりも高くなるため収入アップが期待できますが、頻度が高くなると体調を崩すきっかけにもなるため、バランスよく勤務するようにしましょう。
バイトで控除される税金や保険料について
バイト代には、税金や保険料が控除されます。最終的な手取り金額は、控除分が差し引かれた金額となります。
控除される税金や保険料は、主に次の通りです。
- 住民税
- 所得税
- 社会保険
年間収入が100万円を超えた場合に納める「住民税」
住民税は、年間の収入が100万円を超えた場合に納税が求められます。納める場所は、都道府県や市区町村です。住民税は、前年の収入によって金額が決まり、納税期間は翌年となるため注意が必要です。翌年に納税義務が必要であることを考慮して、金銭管理を行っておきましょう。
年間の所得控除にかかる税金「所得税」
所得税は、年間の収入から所得控除後の金額にかかる税金です。年間収入が103万円以下の場合には、必要ありません。年間収入が100万円以上になりそうな場合には、所得税が発生することを考慮しておくようにしましょう。
健康保険や厚生年金保険・介護保険などの「社会保険」
社会保険の加入義務は、年間の収入が130万円を超えることが条件となります。健康保険と厚生年金保険のほかに、40歳を超える方は介護保険も必要です。掛け持ちバイトで加入条件を満たした場合であれば、どちらかのバイトが年間で106万円以上であれば、雇用先で社会保険に加入することができます。万が一未納になった場合には、ペナルティがある可能性もあるので、しっかりと管理と手続きを行うようにしましょう。
まとめ
今回は、バイトの種類や職種の特徴と手当や税金、保険料について紹介して来ました。ひとことにバイトと言っても、働き方の種類によっては雇用期間も異なります。また、バイトで得た収入によって納税義務や加入義務が発生します。特性をしっかり理解した上で、自分にあった働き方を選ぶようにしましょう。